歯周病について正しく理解しましょう~歯周病~

歯周病について正しく理解しましょう~歯周病~

大阪市心斎橋の歯医者「PIO畠山歯科」は、アメリカで歯周病を専門に学び認定医となった院長を中心に、高度な歯周病治療をご提供しています。歯周病は40歳以上の方の実に8~9割が感染している(もしくは予備軍である)と言われており、今日では生活習慣病のひとつと考えられています。この病気を放っておくと、どんどん歯茎や歯を支えている歯槽骨、顎の骨がやせていってしまい、最終的には歯を失ってしまうことにつながります。

歯周病は初期段階でほとんど自覚症状がないため、放置してしまいがち(=悪化してしまいがち)なお口の病気ですが、正しい治療やケアを行うことで改善できる病気です。歯周病について正しく理解し、トラブルとは無縁の生活を送りませんか?

歯周病を招く7つの原因

原因1 プラーク・歯石

歯周病を引き起こす最大の原因です。歯と歯茎の間にできた歯周ポケットにたまったプラークは、そのまま侵入・繁殖を続け、やがて深刻な歯周病へと発展させます。プラークの塊である歯石自体は影響を与えませんが、これがあることによってさらにプラークがたまりやすい環境になります。

原因2 歯周病菌

プラークの中では歯周病菌が増殖し、毒素を出しながら歯茎の炎症を進行させていきます。炎症が起こる直接的要因です。プラーク1mgの中には、数億個の歯周病菌が潜んでいるとも言われています。

原因3 食べカス

食事をした後の食べカスに含まれる糖分は、歯周病菌の格好のエサになります。このエサが多ければ多いほど歯周病菌が増殖し、症状を進行・悪化させます。

原因4 全身性疾患

高血圧や糖尿病といった問題を抱えている方は、歯周病リスクが高くなるほか、症状の進行も早くなると言われています。また、歯周病になると動脈硬化や脳卒中などのリスクが高くなることがわかっています。

原因5 ホルモンバランスの崩れ、薬剤の服用、ストレス

歯周病は免疫力と関係があるため、このようなちょっとした体調の変化も歯周病を進行させる可能性があります。

原因6 歯科治療後のかぶせ物

各種歯科治療で、クラウンや入れ歯、差し歯などの義歯を装着している場合、その隙間から食べカスが侵入するとプラークができやすくなります。

原因7 噛み合わせ・歯並び

噛み合わせや歯並びが悪いとブラッシングしにくくなることで食べかすがたまりやすくなります。磨き残しが多くなると、プラークが付着しやすくなります。また、噛み合わせや歯並びの乱れは唾液による口腔内の自浄作用も低下させます。

歯周病の進行段階

1.歯周病への入口

口腔内に残った食べカスを栄養分として細菌が繁殖し、歯の表面などにこびりつきます。この細菌の集合体がプラークです。プラーク内に潜む歯周病菌が放出する毒素によって歯茎が炎症を起こすのが、歯周病の第一段階です。

1.歯周病への入口

2.歯肉炎(軽度歯周炎)

歯と歯肉をつなげる歯肉線維と、歯肉そのものが炎症を起こした状態です。ブラッシング時に出血することもしばしばあります。歯肉炎自体はすぐに治療できますが、歯周病が中等度~重度になると、外科的治療が必要になることも。この段階であれば、早期発見・早期治療で改善します。

2.歯肉炎(軽度歯周炎)

3.歯茎からの出血(中等度歯周炎)

炎症を起こした歯茎などの歯周組織が弱っており、そこにブラッシングなどの強い刺激を与えることで容易に血管が破れてしまいます。そのまま放置すると、顎の骨が溶ける「骨吸収」が始まってしまいます。

3.歯茎からの出血(中等度歯周炎)

4.周囲の骨が溶ける(重度歯周炎)

どんどん増殖する歯周病菌は、歯茎から歯根の奥深くへと侵入します。こうなるとますます歯周組織はやせ細り、歯と歯茎の癒着も弱くなってはがれてしまいます。さらに歯周病が進むと、歯槽骨や顎の骨まで溶かしてしまい、支えられていた土台を失った歯は抜け落ちてしまいます。

4.周囲の骨が溶ける(重度歯周炎)

歯周病の進行段階

1診査、診断

患者様の状態を問診した後、下記のような詳細な検査を適宜行い、一人ひとりに最適な治療方法をご提案いたします。

  • レントゲン撮影
  • 歯科用CT撮影
  • ポケット測定診査
  • 歯垢係数測定
  • ポケット内浸出液化学的検査
2初期治療
まずは歯周病の大敵であるプラークを除去します。歯石除去(SRP)などの専門技術により、炎症が起きた歯茎を健康に導くほか、自宅でのブラッシング方法などもアドバイスいたします。
3歯周外科治療
中等度以上に該当する歯周病は、ブラッシングやクリーニングを行ってもそれのみでは効果がありません。歯周ポケットの奥底に入ってしまったプラークなどの汚れを、歯茎を切開する外科的療法で取り除きます。
4歯周再生療法

重度の歯周病では、歯周外科再生療法によってやせ細ってしまった歯茎、また周囲の骨組織を修復します。治療法は次の2種類から選択されます。

GTR法 エムドゲイン法
骨組織などの硬い組織を、メンブレンと呼ばれる特殊な膜を用いて促進させる方法です。 左記の組織再生を、エムドゲインゲルという薬剤を用いて促進させる方法です。

歯周再生療法は、歯周組織がほぼ破壊されてしまって歯と周辺が不安定な状態になるまで進行している場合にのみ適用されます。保険が適用されない自費診療です。

5歯周補綴(ししゅうほてつ)治療
重度の歯周病によって骨組織が溶けてしまうと、歯が不安定になって隣接する歯との隙間が多数できてしまいます。現存している歯を削り、連結した補綴物(被せ物)によって不安定な揺れを固定するのが歯周補綴治療です。重度歯周病の場合は、この治療により周囲への影響を少なくとどめます。
6メンテナンス
歯周病治療が終了した後も、再発のリスクを減らすために、定期的なクリーニングや噛み合わせチェックなどのメンテナンスが必要です。当院では治療を終えた方皆様に定期検診をおすすめしております。これにより常に最良の状態を保つことができるほか、経過に合わせたご自宅でのメンテナンスに関するアドバイスも行います。

当院の歯周病検査メニュー

レントゲン検査

顎の骨の状態を調べるために、レントゲン撮影を行います。レントゲン写真で骨の影が希薄な場合は、骨がすでに溶けてしまっており、重度の歯周病である可能性が高いです。

ポケット診査

ポケット診査

ものさしに似た「プロープ」という機器を歯周ポケットに差し入れ、深さを測定します。歯周ポケットが深いほど症状が悪化しています。

歯の揺度の検査

ピンセットで歯をつまみ、どのくらいグラグラしているか検査します。歯周病が進行しているほどグラつきが大きくなります。

当院の歯周病治療メニュー

スケーリング

スケーリング

スケーラーという器具を使って歯と歯茎の周辺にたまったプラークや歯石を取り除きます。主に軽度の歯周病に対して行います。

歯周ポケット掻破(そうは)術

歯周ポケット掻破(そうは)術

麻酔を行った上で、歯周ポケットの奥に潜むプラークや歯石を取り除きます。中等度の歯周病の状態で、深くなってしまった歯周ポケットから歯石などを取り出す治療です。

フラップ手術

フラップ手術

まず麻酔を行い、歯茎を切開して歯根部を露出させた後、歯根先端までおよんだプラークや歯石、また菌に感染した組織を除去して縫合します。かなり進んだ歯周病で行われます。

再生治療

再生治療

炎症よってやせてしまった顎の骨を再生させる治療です。治療を施す部分に再生誘導剤である人工膜(メンブレン)や薬剤(エムドゲインゲル)などを挿入し、患者様自身の骨組織を別の箇所から採取したもの、または人工骨を入れて再生を促します。

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